沖縄には「ニライ・カナイ」に対する信仰というものがある。
ニライ・カナイというのは、
海の彼方にある仙境の楽土であり、
神々の住む世界のことである。
その神こそ、この世での生命を終えた者たちであり、
そして時が来れば再び現世へ生まれかわるものと
信じられるようになった。
人は生まれる時、それはニライ・カナイからやってくるのであり、
死ねばニライ・カナイに帰ってゆく。
海は死者の帰ってゆくところであると同時に、
生命の生まれ故郷なのである。
日本人が古来から抱いている海や山など自然への信仰。
一個の命が亡くなった時、
それは肉体を離れ海の彼方に,あるいは山へと還ってゆく。
それは再び新しい命となってこの世に生まれてくる。
人々は、この命の故郷を母ととらえていた。
海や山に遺骨を撒く散骨。
そこには自然のもとに還り、
そして自然の循環に与りたいとする
心性が宿っているのではないだろうか。
海洋散骨のブルーマイルゥー