以前、僕はある葬儀社に勤務していました。
心に残っているお葬儀が多くありますが、
その中でも特に忘れられないお葬儀があります。
それは小さな赤ちゃんのお葬儀でした。
まだ若いご夫婦の間に、初めて生まれた女の子でした。
僕は、お葬儀の打合わせから
葬儀・告別式の司会進行まで一貫して担当させていただいたのですが、
本当に心の痛む思いでした。
そして偶然なのですが、その女の子のお名前は
僕の娘と同じで・・・
年もそれほど変わらない・・・
自分の娘の姿とオーバーラップしてしまうところがありました・・・
お葬儀はご自宅で、ご家族・ご親戚で行われました。
出棺直前に、小さな棺の中にみんなでお花を添え、
最期のお別れです。
しかしこの時点で、僕は涙をボロボロと流していました。
それでも無事出棺まで司会進行を終え、
火葬場へ向かう車を見送ることが出来ました。
会社に戻り、上司に無事終了の報告をし
自分自身涙を流してしまったことを話したのですが
そのベテラン上司からは
「葬儀で涙を流すのは、プロとして失格やな」
と言われました。
しかし、自分では何だかその言葉に納得のいかないものがありました。
確かに葬儀社の社員が葬儀で涙を流すのはプロとして失格なのかもしれません。
しかし、本当にそうなんだろうか?
涙を流してはいけないんだろうか?
ご両親にとってはどんなに悲しいことか・・・
自分と同じような小さなお子さんを亡くされた
そのご両親の心の痛みを思うと自然に涙が流れてきます。
そう、本当に自然になんです・・・
私たちが海洋散骨をサポートさせていただく時も
やはりご遺族の心の痛みを考えると
涙があふれそうになることがあります。
自分自身では、自然なことだと思っているのですが、
やはりプロとしては失格なのでしょうか・・・
海洋散骨のブルーマイルゥー