先日、あるドラマの中でこんなシーンがありました。
葬儀から帰ってきた人が自宅に入る前に「おい、清めの塩をまけ!」
と言って塩を振りかけてもらっていました。
僕はこのシーンを見て何だかイヤな感じというか
違和感というか、あまりいい感じがしませんでした。
葬儀の後などにする清め塩は、
死者をケガレから清めるという意味ではなく、
葬儀に参列した人につくケガレを清めるという意味で行われています。
(死者がケガレというよりも「死」そのものがケガレという考えなんですが)
しかし僕はどうもこの清め塩をする気にはなれず、
今までもしたことがありません。
死者に対して失礼な感じがしませんか?
汚いもの扱いしているようでダメなんです。
(イヤな人が帰った時に塩をまいたりしますしね)
昔から塩は不浄のものを清めると言われていますが
仏教では死をケガレと見ないので、これは神道と関係があるのでしょうね。
例えば浄土真宗では「清め塩を使う必要はない」と説いています。
ですから最近では、葬儀の時の会葬のお礼に
塩の小袋を付けないところもあるようです。
このような考えに僕は賛成なんですけど、
人によっては考え方がいろいろあると思います。
清め塩に限らず、
葬儀には伝承ごと・迷信が多いですね。
例えば・・・
「霊柩車を見たら親指を隠さないと親が死ぬ」 とか
「葬儀後に出棺したら故人の使用していたお茶碗を割れ」 とか
「死者が寝ている掛布団の上に着物を逆向きにかける」 とか
「友引に葬儀をすると死者が寂しがって友を連れて行ってしまう」 とか
その他にもいろいろあります。
死者への敬意として、これらの何の根も葉もない伝承ごとを
全く無視するのも良くないと思いますが、
考え直す必要はあると思います。
海洋散骨のブルーマイルゥー