瀬戸内フェリー航路: 2008年4月アーカイブ

今日は、高松と宇野(岡山)を結ぶ宇高航路の紹介をします。


瀬戸大橋が開通して今年で20年ですが、
橋開通以前は、本州から鉄道・車・徒歩で四国へ渡る場合は船がメインでした。
JR四国(旧国鉄)も高松~宇野に大きな連絡船を運航しており、
高松港周辺は四国の玄関口としてとても賑わっていました。
(・・・と言っても僕はこの時代の高松を知らないんですが)

 

JR四国は橋開通後に連絡船を廃止しましたが、
連絡船に並行して運航していた民間のフェリー会社の航路は、
橋開通後の現在でも残っています。

 

現在は、宇高国道フェリー㈱と四国フェリー㈱によりこの航路が運航されています。
かつてはもう一社、津国汽船(本四フェリー)という会社も加わり、
3社の船で運航されていましたが、
2004年から津国汽船と四国フェリーは共同運航しています。

 

この航路は24時間運航されており、便数も多く、
ほとんど待たずに乗れるという感覚で利用できます。
料金的にも瀬戸大橋を使うより安く燃料も節約できるので、
現在もトラックを中心に利用が多い航路です。
所要時間は約60分。
時間さえ許せば、安い・楽ちん・燃料節約・
旅の気分を味わえるこのフェリーは魅力的です。

 

実は、瀬戸大橋は強風による運転規制が時々あります。
列車が全く動かないこともしばしばです。
そんな時このフェリーは強い味方で、
岡山方面への振り替え輸送に大活躍します。
案外風に弱い瀬戸大橋ですが、船はわりと風に強いもんなんですね。

 

さて、宇高国道フェリーですが
現在798トン~999トンの船5隻で運航されています。
船内は椅子席が中心ですが、浴室やゲームコーナーもあります。
また売店の軽食コーナーでは「うどん」も食べられますよ!

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高松港に入港する宇高国道フェリー「こんぴら丸」

 

四国フェリーの方も、椅子席を中心に座敷席、浴室などがあり、
船内の設備は両社ほぼ同じくらいだと思います。
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こちらは高松港に入港、接岸中の四国フェリー「第八十玉高丸」

 

エーゲ海にも例えられる瀬戸内海ですが、
大小さまざまな島々が点在しています。
その魅力は、この航路でも十分感じることが出来ます。

 

高松の街を見ながら出航し、すぐの女木島。
そして直島、荒神島、葛島など。

また、上がり航路と下り航路が若干違うので、
行きと帰りでは違った風景が楽しめます。

 

近くに迫り、そして遠ざかってゆく島々。
備讃瀬戸東航路を航行する貨物船や他のフェリーも
間近まで近づいてきます。
そして、はるか西には瀬戸大橋が・・・

時間と風景が、穏やかに流れてゆきます・・・

 

夕暮れの便に乗ると、素晴らしい風景が楽しめるこの航路。

これからの暖かい季節、
久しぶりにこの航路に乗り、
デッキに立ち、
夕陽を眺めたくなりました・・・

 

 

 

 

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こんにちは。

今日は、高松港と高松港沖に浮かぶ女木島(めぎじま)・男木島(おぎじま)

を結んでいる雌雄島海運フェリーの紹介をしたいと思います。

 

まずこの女木島・男木島ですが、

女木島は桃太郎伝説の島で、通称「鬼ヶ島」と呼ばれています。

島には「鬼ヶ島洞窟」があり、港に隣接して「高松市鬼ヶ島おにの館」という施設もあります。

夏には海水浴客でにぎわう島です。

男木島は灯台守の映画「喜びも悲しみも幾歳月」の舞台にもなった島で、

島の北部には石造りの「男木島灯台」、「灯台資料館」があります。

どちらの島も、のんびりした感じで時間の流れを忘れさせてくれる様な島です。

でも、もし観光で行く場合、

いろんな所を見て回る様な観光のつもりで行くと期待はずれかもせれません。

しかし海と自然と船が好きな人には、とっておきの場所でしょう。

地魚料理がおいしい民宿もあるので、

こういうのどかな島でゆっくりするのもいいもんですよ。(^-^)

 

特に男木島北部にある灯台の沖は、備讃瀬戸航路と呼ばれる航路で、

一日400~800隻の船が航行している海の大動脈です。

巨大なタンカーや貨物船、フェリー、クレーン船、または漁船、

大小さまざまな船のオンパレードです。

船好きには大興奮のはたまらない場所だと思いますよ。

 

さてこのフェリー航路、高松~女木(20分)・女木~男木(20分)、

全行程40分の比較的短い航路です。

正式には雌雄島海運㈱(しゆうじまかいうん)というフェリー会社が運航しており、

運航航路はこの1つだけです。

 

出港地の高松港周辺は再開発されサンポート高松と呼ばれており、

きれいな港に生まれ変わっていますが、

この港には主に、宇野、小豆島、直島、

その他島々の各港を結ぶフェリーが頻繁に出入りしており港は常に活気づいています。 

それらの大きいフェリーに混じって、かわいらしい小さなフェリーが時々姿を見せます。

赤白ツートンカラーのその船「めおん2」(1998年就航、264トン)が、

女木・男木を結ぶ雌雄海運フェリーです。

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高松港に入港する「めおん2」。  後方に少し見えているのが女木島です。

 

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船体の両側面には、かわいらしい鬼と灯台の絵が描かれています。

(かわいらしいというか、う~んちょっと変というか・・・)

 

運航ダイヤは、通常一日6往復、冬季(12~2月)は5往復ですが、

夏季海水浴期間(8/1~8/20)は、高松~女木間にさらに6往復増便されます。

通常「めおん2」だけで運行されていますが、

増便時・ドッグ入り時は予備船の「めおん」(1987年就航、198トン)が使用されます。

「めおん2」は小さいながらも、椅子席、ソファー席、座敷席があり、

整備も行き届いているきれいな船です。

(小さいといっても揺れは少ないので、船酔いなんか全然心配ないですよ)

車の積載は乗用車で15台とのことですが(実際はもっと少ないかもしれない)、

車を積み込む場合は船首部からバックで入らないといけませんので注意です。

しかし、車で島に渡ってもあまり走れるところがないので、徒歩のほうがいいかも。

ちなみに旅客運賃は、高松~女木(片道360円)、高松~男木(片道500円)です。

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接岸中の「めおん2」

 

 

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こちらは「めおん」。普段は予備船で動くことが少ないけど、

増便時やめおん2のドッグ入り時に運航されています。

 

 

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こちらも「めおん」

 

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高松港を出港してゆく「めおん」

 

 

 

この航路は、高松の街全体を海側から見ることが出来ます。

(高松港発着の他の航路も同じです)

サンポートに出来たシンボルタワーや、

全日空ホテルクレメント高松の高層ビルがひときわ目立ちます。

そして中央通り添いを中心に立ち並ぶビル群が見えます。

東には源平合戦で有名な屋島(台形の独特の形をした山)、

はるか西には、天気の良い日は瀬戸大橋を見ることも出来ます。

 

島民にとっては大切な交通機関で、生活の足としての航路です。

しかし、高松からは気軽にちょっとした旅行気分を味わえる航路でもあるんです。

これからは気候的にも過ごしやすくなりますね。

ぜひ一度、雌雄海運フェリーに乗って女木島・男木島を訪れてみてください。(^v^)

 

この航路の風景はこちらのページをどうぞ!

 

 

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ジャンボフェリー(高松~神戸)

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こんにちは。中井良紀です。

今日は、高松~神戸(新港第3突堤)を結ぶジャンボフェリーの紹介をしたいと思います。

これから時々、高松港発着を中心とした瀬戸内のフェリー航路を紹介してゆきます。

(カテゴリ「瀬戸内フェリー航路」で整理してゆきます)

僕自身フェリーマニアというわけではないんですけど、船は大好きですね。

あの匂いと音、そして振動に魅力を感じます。

まあ、乗り物全般が好きです。

が、もし間違ったこと言ってたらゴメンなさいね。(^-^)

 

高松から関西方面へ行く場合、JR(往復約¥15,000)、高速バス(往復約¥7,000)、車(高速道路使用で約¥17,000くらい+燃料代)と行き方はいろいろあるんですけど、

最近僕はジャンボフェリーというフェリー航路を使っています。

人のみの乗船で往復¥2,990と格安です。目的地で一日いろいろ動いても総交通費¥5,000くらいですんでしまうんです。頻繁に行く人にとってはとても魅力的な料金です。

ただ、JRや高速バスのように便数は多くないので、これも時間的に余裕のある人向けかもしれませんが。

現在この航路は「ジャンボフェリー㈱」という会社が一日5往復で運行しています。

高松~神戸の所要時間は3時間40分です。

かつてこの航路は4社によって共同運航されていました(加藤汽船・関西汽船・日本海運・四国フェリー)。当時は約2時間おきに船が発着していたと記憶しています。

しかし明石海峡大橋開通後の利用者減から各社が撤退し、加藤汽船の単独運航となりました。

そしてその加藤汽船も2003年に同航路から撤退。

同時にジャンボフェリー㈱が同航路を引き継いでいます。

 

僕は、「もしかしてこの航路はなくなってしまうのでは?」と心配でしたが、

トラックの利用を中心に、現在でも利用者は多いようです。

さて、所要時間は3時間40分ですが出航時間はよく20~30分遅れます。

理由は、トレーラーの引出しと積込みです。

トレーラー部分のみの運搬が結構あるんです。

両港には引出・積込専門のトレーラーヘッドが待機していて、

船が着くとヘッドたちが行ったり来たり忙しそうに走り回っています。

実際、出航時間に追われながらの連結・切離し作業は大変だと思いますよ。

フェリーの車載部分で器用にUターンなんかもしてますし、あの巨体をビッシリ積み込んでゆくドライバーのテクニックは超一流です。

 

到着から次の出航まで50分ですが、そんな理由で到着が遅れると出航も遅れてしまいます。

と書くと永遠に遅れが続いてゆくようですが、間が1時間20分あいている便もあるので、そういうところで調整しているのでしょうか。

現在「こんぴら2」「りつりん2」の2隻体制ですが、到着しては出航の繰り返しなので、

2隻は常に休みなく動いていることになりますね。

現在予備船はないようなので、どちらか1隻がドッグ入りした時は減便となります。

利用する前はよく調べておくことをお勧めします。

ちなみにこの2隻、色違いで同じ形の船ですが独特の形をしています。

「こんぴら2」(1989年就航・3,500トン)、「りつりん2」(1990年就航3,500トン)で、

ちょうどスリッパのようかな?遠くから発見してもすぐわかる形です。

 

この航路は船から見える景色が魅力的ですね。

高松出港から小豆島を過ぎるあたりまでの大小の島々。

意外に小豆島って大きいのにも気づきますよ。

途中、多くの貨物船やフェリーともすれ違います。

その中を縫うように漁船が操業してます。

(もちろんこんなところでの散骨はできません(^u^))

そして海鳥たちが、進む船体に並行して飛ぶ姿なんか、

陸からは決して見ることのできない風景です。

 

また、明石海峡大橋をくぐるあたり。

多くの船が行きかう中を、たこフェリーやジェノバラインなどの旅客船が横切ってゆきます。

そして神戸の街を眺めながらの入港。何回見ても飽きない風景です。

だから夜行便は風景が見れなくてつまらないですね。

 

IMG_1425.JPGのサムネール画像

さて船内は、和室、椅子席があり、

レディースルーム、チャイルドルームもあるので女性や小さな子供さんの利用も安心です。

トラックドライバーにはベッドのある専用ルームもあります。(かつては1等個室もありました)

また売店や、うどんなどの軽食を食べれるコーナーもあります(「こんぴら2」と「りつりん2」で違います。)

また浴室もあります(トラックドライバー用と思われがちですが、一般の利用も可能です)。

他にはマッサージチェアやゲーム機コーナーもあります。

船内は結構くつろげますよ。

 

この船、出港時と入港時にテーマソング(?)が流れます。

CMソングの「二人を結ぶジャンボフェリー」という曲で、

早見になさんという人が歌っている旅情たっぷりのこの曲は、

「ああ、出港だぁ・・・」 「ああ・・・着いたぁ」という感じで僕は好きです。

カラオケで歌いたいんですが。(^-^)

 

この船は車はもちろん、人だけの乗船も便利な船です。

高松東港~JR高松駅、神戸港~三宮駅までバスもあるのでまったく不便を感じません。

神戸側は歩いても歩いていける距離ですし。

 

大きな橋が架かり、高速道路が出来、便利になってゆく中で、

多くのフェリー航路がなくなってゆきます。

そんな中で、高松~神戸のジャンボフェリーはいつまでも残ってもらいたい航路ですね。

高速移動が当たり前の世の中ですが、

ゆったりした時間の中で、「旅」を感じさせてくれる。そんな船です。

 

この航路の風景はこちらもどうぞ!

 

 

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